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世界のエリートがやっている会計の新しい教科書 体感!BSアプローチ会計入門研修

  • 吉成 英紀氏(株式会社インプレッション・ラーニング 講師)
2017.06.21 掲載
株式会社インプレッション・ラーニング講演写真

日本企業では、優秀な管理職であっても、「会計に自信がない」「勉強したことはあるが途中で挫折してしまった」という人が多い。その理由は、従来の日本の会計教育アプローチに問題がある、という指摘から始まるワークショップ。会計・法務・コンプライアンスなどの専門教育や組織・人事コンサルティングを提供している株式会社インプレッション・ラーニングの講師である吉成英紀氏が、いまや国際標準ともいえる「BSアプローチ会計入門研修」の凝縮版を披露した。

プロフィール
吉成 英紀氏( 株式会社インプレッション・ラーニング 講師)
吉成 英紀 プロフィール写真

(よしなり ひでき)慶応義塾大学商学部卒業。1987年、英和監査法人(現在、あずさ監査法人)に入所。監査業務、外資系金融機関向けコンサルティング業務等に従事。監査法人退職後、有限会社吉成コンサルティング代表取締役就任。国内大手企業向けコンサルティング、各種会計アドバイザリー業務等に従事。 会計分野の企業研修講師。


会計の基本が完全に理解できる学習法

ワークショップは、受講生は数名からなる6グループに分けられて始まった。

「本日はわずか2時間ですが、貸借対照表と損益計算書の二つについて、『はっきり分かった』状態でお帰りいただきます。『何となくわかった』は本日のNGワードです。気を付けて下さい。

ビジネスの会話の中には、会計用語が飛び交います。その場の空気に水を差さないように、良かれと思って、相手に話を合わせて『わかったふり』をしたりしますよね? それは5分でバレますし、相手によっては『こっちは真剣にやっているんだ』と怒り出すこともあります。

基本だけで良いのです。専門的なことは専門家に説明させればいい。しかし、経営者として知っておかねばならない基本は『完全にわかった』状態でなければいけません。知ったかぶりで経営されては困ります。雰囲気でしゃべるのはもうやめましょう」

たった一日のプログラムでありながら、明日から責任ある立場の人が仕事の現場で使える会計の知識であること。それを可能にするのは、揺るぎない定義と論理を理解することに尽きる。それがこのB/Sアプローチの骨子であるようだ。

相手が会計士であろうと、大切な取引先の社長であろうと、堂々と五分と五分の立場で会計や経営の話ができる。「資産の定義とはこういうことですね」「経営上はこういう意味を持ちますね」といった話ができる。これが経営者や管理職に必要な会計の基本であって、簿記検定のような迅速・正確な処理能力を問う学習とは別のものである、と同氏は言う。

「今日は、貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)の二つの書類について、基本を完全に理解していただきます。2時間足らずですが、可能なんです。さっそく実証しましょう」

会計のそもそもの意味から、話は始まった。

「投資家が一番知りたいのは、会社の将来です。しかし、将来予測は投資家の自己責任です。会計の役割は、将来予測に役立つ過去情報を正しく提供することです。

講演写真

過去情報として、会計の世界では、『会社は今どのぐらい金持ちなのか』『会社の商売はうまくいっているのか』という二つのテーマを重視してきました。前者にお答えする書類がB/S、後者にお答えするのがP/Lです」

このような会計の本質的意味の説明から始まり、一歩一歩階段を上って確認しながら学んでいくといったスタイルで、研修は進められていった。

「資産」「負債」の定義とポイント

本題に入ると、今度は「会計用語ではなく、日本語としての資産にはどのようなものがありますか? 挙げてみて下さい」という問いかけで始まった。

会計用語を云々する前に、そもそも日本語としての資産にはどのようなものがあるか、充分に振り返った上で会計用語の資産の定義を学ぶ。これは経営者にとって会計の基本を学ぶ意義を踏まえた順序だと同氏は言う。

そもそも自分達に与えられたアセット(資産)をどう活用して利益を生み出すか、が商売であることを再認識させ、ともすれば(部門)損益管理に終始しがちの日本企業の経営者や管理職に改めて商売人の原点を想起させるためであるという。同氏の会計の解説は一貫して商売を実践する人間の視点に立っている。同氏のいう「会計の基本が分かっている人」とは、「専門用語を正しく使って会話ができ、縦横無尽に数字を経営(投資)に活用できる人」ということなのだ。

基本用語の定義は、全員でテキストに記載してある定義を唱和するスタイルが取られる。声を出すことで参加意識は高まり、記憶の定着にもつながるのだ。

「『資産とは、会社が実質的に所有する、価値を有するものである』。はい、よく声が出てますね。これが資産の定義です」

同氏はここで、国際会計基準における学問的な定義を口頭で紹介し、それをわかりやすく言い換えたものがこの定義であること、その言い替えにあたっては、米国において長く定評ある教科書の言い替えを準用したという旨を説明した。

「この言葉の置き換えの舞台裏をなぜ詳しく話したか? それは皆さんが「どこに出ても、誰に対しても堂々と使って大丈夫な定義であるということです」

「良く入門書で見かけるような直感的な言い方や、何となく分かる式の定義はダメです。通用しない。最初から世界のどこに行っても通じる厳密な定義を完全に理解し、覚えてください」

講演写真

この調子で解説は進む。定義の意味を詳しく解説し、付随する三つのポイントを分かりやすい例で完全に理解させる。

基本に限定するが、その基本は完全に理解し、覚える。これにより経営者が仕事ですぐに自信を持って使えるレベルの知識を短時間で習得できる。これがB/Sアプローチの真髄であろう。

講義は続いて、負債の定義に進んだ。ここではファミリーレストランに家族で食事に行ったケーススタディなど、分かりやすいクイズを連発し、分かっているようで実は全然分かっていなかった負債というものの意味を改めて実感できた。このあたりは経理マンなどの会計の専門家にも相当受けが良いらしい。

「資産と負債の定義が分かれば、あとは(資本・収益・費用)芋づる式についてきます」

確かに資本・収益・費用の説明は単純明快であっという間だった。資産負債の定義に従属する形で、これらの定義が決まっていることもすんなり理解できた。

「あ、会計の基本の説明は終わってしまいました」

講義スタートから1時間あまりで、資産・負債・資本・収益・費用の定義と練習問題まで終わってしまった。

毎回参加者から寄せられる「今日初めて会計の基本がスッキリ分かりました」「昔、勉強し時は本当に分からなかったのに、今日やっと長年の疑問が解消しました」という声の数々。

でも1時間である。凝縮版とはいえ、このわずか1時間は、過去に勉強したどれだけの時間を上回る成果を上げたことだろう。もっと言えば、従来の勉強法で何年も勉強したとして、今日の資産負債の正しい理解に比べて遜色ないレベルに達したであろうか?

さらに言えば、会計の基本の知識が、全て経営に必要な商売の原点の発想に結びつくようなアプローチで一貫して学べたであろうか? 会計は会計の話、という理解に留まっていたのではないか?

「早いことがメリット」といえば、B/Sアプローチを過小評価したことになるだろう。わずかな時間で、「経営者に本当に必要なレベルの会計の基本」を習得できる。これがB/Sアプローチなのだと実感した。

「一日版の研修では、この後にB/S、P/Lを作るということをやります。よくB/S、P/Lを作る必要はない、経営者に必要なのは見る力だ、という人がいます。これにC/Fを加えて、見る方法だけ教えましょう、といったものです。これらを全否定はしませんが、表面をなでるような勉強をしても経営者は仕事で使えないのです。

一度でいいから、ごく簡単な例でいいから、自分の手を動かして、充分に理屈を理解した上で『作る』。これによって初めて『会計を使いこなす自信』が生まれます」

作ることまで入れて「一日」――。当日の講義はさらに、ROI(Return on Investment)を中心とした会社の経営指標(ROE=Return on EquityやROA=Return on Assets)のサワリまで及んだ。

「ROIというと、分母が投資で分子が利益。A社とB社を計算して比べてみましょう。A社の収益性が高いですね。などといった講義や入門書が多いですね。そんなことは中学生でも話せば分かる。そうではなくて、経営者が『ROIが分かっている』と口にする時というのは、『自分は投資判断ができる人間である』という意味なんです」

こんな言葉から始まり、あくまで経営者としての経営指標の勉強はどういうものなのか?少なくとも筆者がかつて聞いたことのない「生々しい」解説を聞くことができた(ストレートな言葉使いが時に強烈ではあったが)。

この日のワークショップは終始なごやかな雰囲気で、時に冗談やビジネス界の雑談を交えつつ進められた。最後に吉成氏は、経営者や管理者の一歩手前の年齢からビジネスマンとして会計の基本を知り、ROIというテーマとの付き合いをスタートすることの重要性を強調し、ワークショップを締めくくった。

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