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「採用難」「残業削減」「女性活躍推進」人事の三大課題を一気に解決する方法

  • 三原 邦彦氏(株式会社ビースタイル 代表取締役会長)
  • 田中 雅子氏(株式会社ホワイトプラス 経営企画部 組織開発グループ グループマネージャー)
2017.06.21 掲載
株式会社ビースタイル講演写真

10年後に日本の労働人口は約450万人減少すると言われており、人材採用はますます厳しくなると予想されている。そんな環境下で企業成長を続けるために取り組むべきことは何か。女性に特化して人材派遣などの人材サービスを行っている株式会社ビースタイルの代表取締役会長・三原邦彦氏が、データを交えながら課題解決策について解説した。講演の後半では、ビースタイルを通じて、育児と仕事を両立させながら第一線で活躍している3人の女性が登壇。女性の働き方や魅力ある職場像について語り合った。

プロフィール
三原 邦彦氏( 株式会社ビースタイル 代表取締役会長)
三原 邦彦 プロフィール写真

(みはら くにひこ)96年株式会社インテリジェンス入社。00年、同社子会社の代表取締役就任、02年株式会社ビースタイル設立、代表取締役就任。主婦の人材サービス「しゅふJOB」の他、女性に特化した人材サービスを展開。13年、中小企業庁長官賞を受賞。ガイアの夜明け、カンブリア宮殿等メディア出演の実績多数。


田中 雅子氏( 株式会社ホワイトプラス 経営企画部 組織開発グループ グループマネージャー)
田中 雅子 プロフィール写真

(たなか まさこ)1989年、大手総合商社へ入社し、輸入貿易事務を担当する。その後、通信会社、ITベンチャーの執行役員を経る。現在は、株式会社ホワイトプラスにて、 組織開発グループのマネージャーとして活躍。主に人材採用の他、人事全般の企画・運営を行う。


労働時間に関係なく、成果が出せる働き方を考える

ビースタイルは、結婚・出産をしてもキャリアが継続できる世の中を作りたいという想いのもと創業され、今年で設立15年目を迎える。事務を中心とした主婦の人材派遣・紹介、ハイスキル人材のパートタイム派遣・紹介、求人メディア、主婦の力を活かしたアウトソーシング、ライフステージが変わっても活躍したい意欲の高い若手女性の人材紹介などのサービスを手掛けている。年間で新規約1万人の雇用を創出し、その90%が既婚者であるという特徴を持つ。最初に三原氏は、企業が今後直面する課題について語った。

「企業にとって今後の重要課題は、採用難、残業削減、女性活躍推進であることは大手・中小企業を対象とした各種データ、人口統計などからも明らかです。この三大課題を解決することが、顧客満足の追求と売上利益の最大化という企業成長に結びつくことは言うまでもありません」

ここで三原氏は、企業が成長のために行うべきステップを提示した。一つ目は、既存社員をキャリアアップさせて、経営幹部や専門家へと成長させることだ。これなしに、新しく優秀な人材の採用は難しく、採用しても育成ができないことになる。二つ目は優秀な人材を採用することで、三つ目は離職を防ぐこと。必要条件としては、長時間労働をさせない、男女とも幅広く採用することが掲げられた。

「では、そのためにどんな取り組みを行えばいいのでしょうか。例えば、三つ目の離職に関して、会社を辞めた主な理由についてのデータを見ると、1位は『労働時間・休日・休暇の条件がよくない』で約25%。そして『結婚・子育てのため』は10%です。すなわち、三人に一人は就業条件を理由に退社していることになります。就業条件に含まれる労働時間はコントロールできるものです。ここに取り組むべきポイントがあります」

従って、企業が成長のためにすべき各ステップは、「労働時間に頼らない働き方を開発する」うえで実施することが核となる。では、どのように、労働時間に頼らない働き方を開発すればいいのか。三原氏は労働時間の長さではなく、経済効果に注目した働き方が重要だと語る。

「例えばユニクロのヒートテックは、袋に入れてフックにかけて陳列されていますが、このアイデアを考え付いた働きこそ、経済効果の高いといえます。。袋に入っていて試着できないので商品を畳む手間が不要となり、人件費ロスがなくなります。吊り下げ陳列は場所を広く占めないので、店舗賃料も抑えられます。これらは、店員の行動量や労働時間に関わりのないところで生まれた、顧客理解と発想力による経済成果だと言えます。このような視点での働きが重要なのです」

ビースタイルが担う派遣の現場でも、経済効果を重視した改革ケースが出てきている。例えば、スマートフォンが市場に出始めた頃は、販売スタッフの人材要件は「長時間働けること」だった。営業力よりも、「iPhoneください」と買いに来る機会損失を逸しないことが優先されたためだ。ところが、最近の人材要件は「デバイスとキャリアを変える提案ができる」「顧客に合わせたサービスを追加できる」へと変わった。顧客理解と知識による経済効果を求めている傾向がうかがえる。

「このように、顧客理解と発想力と知識が、経済効果を生み出します。労働時間ではなく、成果をどんな方法で出すかがポイントなのです。例えば、時短勤務の方を、労働時間に関係ない収益が上げられるようなポジションに配置することもよい考え方だと思います。マネジャーもそういうポジションの一つです。少ない投資で大きな成果を上げることが、マネジメントの仕事の本質ですから、マネジメント力の強化は、労働時間ではなく、労働の質を高めることが収益を高める秘訣です。

講演写真

キャリア継続力とそれを発展させるスキルが重要に

次に三原氏は、「管理職を希望しない女性が54%に及ぶ」というデータを取り上げた。この数値は20代に限って言えば、59%に上昇する。この問題をクリアするポイントは「動機形成」であり、正しいライフ・キャリア知識を会社としてきちんと伝えていくことが必要だ。正社員を辞めた後の年収の違いや生涯収入の差、夫の年収平均の低下傾向、親の年収の低さが子供の進路に及ぼす影響、今後増える介護の実態などについて、20代のうちに知識を与え、働くための動機につなげる。そして、自分のライフ・キャリアを戦略的に描き、自律的に発展させる力を育ませる。そんな「ライフ・キャリア観」のサポートが重要になるという。

「他にも、キャリア継続力とそれを発展させるスキルを習得させることが重要です。例えば『チームマネジメント力』。結婚・出産により残業できなくなると、大勢の手を借りることになりますから、上司や部下、夫、両親などの力をうまく活用するために身に付けておく必要があります。各ステークホルダーの目的に目線を合わせながら交渉して結果を出していく『Win-Win交渉力』も欠かせません。また、時間あたりの生産性を上げるための『問題解決力』も当然、必要です。こういった能力を会社として開発し、経済効果の高い働き方が結婚・出産前に実現できるようにさせるべきだと思います。これは男性にも言えることで、ライフイベントを迎えても、同じような働き方で力を出し続けられるスキルにつながります」

「時短キャリア」を選んで活躍する3人の声

講演写真

後半は、ビースタイルを通じて派遣され、派遣先企業から高い評価を得て活躍している田中雅子氏、田畑こずえ氏、大山ふみ子氏が登壇。まずは自己紹介を行った。

田中:現在、ITベンチャーであるホワイトプラスの人事部門でマネジャーを担当しています。小学5年生の娘が一人おり、この約10年間、時短でさまざまなところで働いてきました。

田畑:外資系金融機関に勤めていましたが、主人の転勤をきっかけに辞めました。去年転勤から戻って、現在はSAPジャパンで、時短で働いています。

大山:流通業でバイヤーやマーケティングを経験した後、ビースタイルで紹介いただいたエビナ電化工業という製造会社で、法人営業や新規事業の立ち上げを担当しています。最初は週4日勤務でしたが半年後に正社員に登用され、現在は週5日働いています。

三原:皆さんにお聞きします。あえて時短キャリアを選んだ理由を教えてください。

田中:育休が明けて会社に戻ったら執行役員という立場になり、少しは時短勤務も行いましたが、どうしても就業時間内に終わらない状況が続きました。子どもを3歳くらいまで夜間保育園に預けていたのですが、朝も夜も慌ただしく、保育園に送り迎えしていた時にふと、「せっかく子供がいるのにこれでいいのだろうか」と感じたのです。青空の下で、もっと子どもと会話や食事ができないか、と。上司に相談すると調整してくれて、勤務を続けることができました。仕事は好きだけれど母親として働き方を変えたい、と考えたことがきっかけでした。

田畑:仕事のブランクが7年もあり、もう働くのは無理ではないかと思っていました。子どもがまだ小学生で、母親がいきなり長時間家にいないのはどうかと思ったので、時短で働くことにしました。実際に働いてみると、主婦である私にもう一度チャンスを与えたい、と考えた上司がいろいろと仕事を振ってくれました。以前と違う業界ですが、毎日新鮮に取り組めています。

大山:私の実家は遠方にあり、夫もあまり戦力として期待できない状況で、いわゆるワンオペ育児の状態でした。以前は残業が当たり前の会社にいて、定時で帰ると白い目で見られて居心地が悪く、査定も低くなっていたので、次は派遣で時短勤務に就こうと考えていました。

三原:時短キャリアの女性が入社したいと思うのは、どういう会社でしょうか。

田中:一つは、制度によらずフレキシブルに対応できる会社です。子育てママの価値観も多様ですから、制度内と決められてしまうとズレが生じて、ベストなものが拾いきれない場合もあると思います。対象年齢は小学校に入るまでという制度がありますが、その後も子育ては続くので、なるべく多方面からのフレキシブルな対応が望ましいですね。

田畑:同じチームに、お子さんがいる方や病気の家族がいる方がいましたが、フルタイム勤務で残業もしていました。そういう方たちにも私と同じような時短の選択肢があれば、不平等感がなくていいと思います。あと、コミュニケーションはとても大事です。今後フルタイムにしたいのか、このままでいくのか、キャリアをどう形成していきたいのかといった相談事も、今の上司は話しやすくてやりやすいです。

大山:女性の社会進出は男性の家庭進出とイコールになっていると思います。そのため、女性だからといって褒められたり、特別扱いされるたりすると疑問を感じます。定時で帰るにしてもフレキシブルな働き方をするにしても、それが当たり前であって、子育てする女性に限らず、いろいろな形の家庭を持つ人が自然にいられるような環境になってほしいと思います。

三原:ゴールに対しての行動と選択を経て、そこに向かっていくのが仕事だと思います。皆さんはそれぞれのゴールをお持ちだと思いますが、ぜひ、幸せな結果を作り続けていっていただきたいと思います。本日は、どうもありがとうございました。

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