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「HR Technology先進国アメリカ」から学ぶ組織人事の未来
~HR Technology Conference & Expo@LasVegasレポート~

<協賛:株式会社リンクアンドモチベーション>
  • 麻野 耕司氏(株式会社リンクアンドモチベーション 執行役員)
Technology大ホール [TH-5]2017.12.26 掲載
株式会社リンクアンドモチベーション講演写真

2017年10月に米国ラスベガスで開催されたHR Technology Conference & Exposition。開催20回目を迎えた、世界最大級のHRテクノロジーのイベントだ。組織人事のコンサルティング会社であるリンクアンドモチベーションは、同イベントに2016年より参加している。本講演では、2017年の同イベントに参加した麻野氏が、HRテクノロジーのトレンドや新たなサービスなどをレポートした。

プロフィール
麻野 耕司氏( 株式会社リンクアンドモチベーション 執行役員)
麻野 耕司 プロフィール写真

(あさの こうじ)慶應義塾大学法学部卒業後、株式会社リンクアンドモチベーション入社。
2010年 中小ベンチャー企業向け組織変革コンサルティング部門の執行役員に当時最年少で着任。同社最大の事業へと成長させる。2013年 成長ベンチャー企業向け投資事業立ち上げ。HRTechを中心にビズリーチ、ネオキャリア、あしたのチームなど20社近くに投資
2016年 組織改善クラウド 「モチベーションクラウド」立ち上げ。経済誌Forbesが選ぶ「HRTech20選」に選ばれるなど国内HRTechの牽引役として注目を集めている。
著書に「すべての組織は変えられる〜好調な企業はなぜ『ヒト』に投資するのか〜」(PHPビジネス新書)。


今人事に足りない「効率性や戦略性」を支援するのがテクノロジー

リンクアンドモチベーションは組織人事のコンサルティング会社として、2000年に創業。組織診断から人材採用、人材育成、理念浸透、人事制度といった幅広い事業領域をサポートしている。麻野氏はレポートの前に、日本企業の人事が現在直面する環境変化について解説した。

「企業は、商品市場において顧客から選ばれ、労働市場において人材から選ばれなければなりません。今この市場に大きな変化が起きています。商品市場は産業構造が第三次産業にシフトし、『ソフト化』『短サイクル化』が進み、人材の重要度が増しています。一方、労働市場でも人材の『流動化』『多様化』が進み、人材に自社を選択させる難易度が高まっています。企業人事は商品市場への対応に加え、厳しさが増す労働市場にいかに適応するかが問われています」

これまで日本企業の人事はオペレーションが中心で、固定化されたシステムを運用していればよかった。しかし、今は人材採用の手法が、インターン、ナビサイト、紹介会社、ダイレクト、採用イベント、リファーラルと多様化し、人事制度も複雑化している。

「人事の業務が増え続ける中、今は環境変化に合わせた戦略人事が求められています。これまでの人事は人の経験や勘に頼った面がありましたが、今後はそのようなやり方では対応できません。今の人事に欠けているのは『効率性』『戦略性』の追求であり、これらを支援していくのがクラウド、ビッグデータ、人工知能(AI)といったテクノロジーだと考えます」

最近、少しずつ盛り上がりを見せる日本のHRテクノロジーだが、日本の投資額は米国のわずか約1.4%しかない。まだまだ大きな差があることから、今後の導入を図るうえで米国のトレンドをつかむことが有効だと、麻野氏は参加者に語りかけた。

HRトレンドはこれから「生産性向上」「チーム支援」へ

講演写真

ここから「HR Technology Conference & Exposition」のレポートが行われた。同イベントには世界各国から約1万人の来場者、約400のHRテクノロジー関連企業ブースが集まり、70を越えるHRスペシャリストによるセッションが開催されている。麻野氏はその中からHRテクノロジーに詳しいデロイトコンサルタントのジョシュ・バーシン氏のセッションの内容を紹介した。始めはHRテクノロジーのトレンドについての解説だ。

「1990~2004年は“Automate”、業務の自動化が進みました。2004~2012年は“Integrate”、さまざまなツールやデータの統合が進みました。2012~2017年は“Engage”、企業への愛着、仕事への情熱を高める部分へのHRテクノロジーの活用が進展。そして2018年以降、これからキーワードとなるのは“Perform”です。HRテクノロジーはデータを集めるだけでなく、より直接的にパフォーマンスを高める動きへと進んでいきます。最終的には、HRテクノロジーは、企業の生産性を高めることにより関わっていくと予想されています」

加えて、バーシン氏は「米国ではこれほどHRテクノロジーが使われながら、生産性は向上していない。もっと生産性を高める形でテクノロジーを活用するべき」と説明した、という。HRテクノロジーは過去にタレントマネジメント、そしてピープル・マネジメントに対応してきたが、今後はその対象が「チーム&ワークマネジメント」に広がると麻野氏は語る。

「生産性を高めるためには、職場のチーム全員で使えるシステムが求められる、ということです。これまでのHRテクノロジーでは経営者や人事が扱うデータが集められましたが、今後は従業員が直接HRテクノロジーを活用することが重視されるようになります。その意味では、今後システムのユーザビリティーの改善や導入のスピードアップが求められていくでしょう」

次に麻野氏は、HRテクノロジー市場の広がりについて解説した。これまでHRテクノロジーは給与・労務から、採用や教育に機能を広げて市場を伸ばしてきた。2010年ごろからは、これらの機能を統合しクラウド化する市場が伸びた。では、今後伸びそうなアプリケーション領域にはどのようなものがあるのか。麻野氏は六つの領域を挙げる。

「一つ目はフィードバック&エンゲージメント。社員が組織や会社に対して何らかのフィードバックをしていくというものです。二つ目はパフォーマンス。これは評価に関連するもので、社員の成果を高めるコミュニケーションの機会を持つことでパフォーマンスを上げます。三つ目はビデオベースラーニング&キャリア。動画を活用した人材育成です。四つ目はソーシャル・レコグニション(認識、承認)。社員同士のコミュニケーションのうち、特に賞賛に関することを活発化させる社内システムです。五つ目はウェルビーイング。身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念です。六つ目はワークチームマネジメント。実際にチームをマネジメントするためのツールとしての活用が進みます」

これらに共通するのは、HRテクノロジーが経営や人事が使うツールという点を前提としながらも、職場で、チームで、メンバーが直接的に使えるツールとなることで効果が上がる点だ。今後はチームという単位が非常に重要になっていく、と麻野氏は強調した。

注目領域は「ウェルビーイング」「エンゲージメント」「ラーニング」

講演写真

麻野氏は、バーシン氏が今後特に注目する三つの人事領域を紹介した。一つ目は「ウェルビーイング」だ。

「精神面も含めた広義の健康が、人材活用のうえで大事になってきます。継続的なパフォーマンスを出すための前提としてのウェルビーイングは、これまで組織人事では扱われてきませんでした。今後は健康経営を軸とした人材管理が重視されていくでしょう」

二つ目は「カルチャー&エンゲージメント」。これまでの年1回行われたエンゲージメント・サーベイは主に経営や人事のために存在した。しかし、今後はもっと社員のためにそのデータが使われるようになる、という。

「サーベイデータはもっと職場改善や人材育成に活用すべきです。そしてもっと測定頻度を増やす必要がある。変化の激しい現代において年1回ではあまりに少なすぎます。サーベイの頻度を高めることで、カルチャーづくり、エンゲージメントの向上が可能になると考えます」

三つ目は「ラーニング」だ。HRテクノロジーを活用することで人材育成がより進化していく。

「これまでは全体で提供するマクロラーニングが主流でしたが、今後は個々に合わせられるマイクロラーニングが増えていきます。短時間での動画学習がもっと広まるのではないでしょうか。今後は、個々の細かなキャリアパスに沿ったコンテンツ提供が求められます」

次に麻野氏は、チーム&ワークマネジメント領域で注目されている二つの人事サービスを紹介した。一つ目は「パルスサーベイ」。パルスとは心臓の鼓動の意味であり、月1回もしくは週1回サーベイを行うことで、職場のリアルな状況を把握することができる。

「サーベイは12の質問が設けられ、モバイルなどでメンバーが回答します。週1回の場合は、金曜日の会社からの帰り道で、社員が職場の現状の満足・不満足についてスマートフォンで回答するイメージです。すると月曜日の朝には、マネジャーに結果データが届いています。メンバーが今何を感じて仕事をしているかが最新データで把握でき、それによって次の1週間のマネジメントができます。しかも、結果データを基に人工知能がアクションプランを提示します」

日本でも従業員満足度調査やエンゲージメント・サーベイを年1回実施する企業は増えたが、米国ではこれらを実施した上で、さらにパルスサーベイに取り組む企業が出てきている。

二つ目は「ソーシャル・レコグニション(承認)」のサービス。従業員同士のコミュニケーションを活性化するツールだ。

「このシステムではメンバー一人ひとりが1ヵ月につき1000ポイントを持ち、賞賛したいメンバーに、自分が決めたポイント数とメッセージを送ることができます。オフィスにこの経過を見られるモニターが設置され、いつ誰が誰にポイントを送ったのかがリアルタイムで見られます。そして、個人が得たポイントは買い物などで使うことができるのです」

組織改善のPDCAを回す為のモノサシを提供する「モチベーションクラウド」

最後に麻野氏は、チーム&ワークマネジメント領域で同社が提供する組織改善クラウドサービス「モチベーションクラウド(MOTIVATION CLOUD)」を紹介した。このサービスは組織データの管理・運用を行い、組織状態の把握から、改善プランの実行までを支援するクラウドサービスだ。

「これまで人事領域では、効果測定がほとんど行われてきませんでした。組織運営においてモノサシとなるような定量指標もありませんでした。そこで私たちは組織のモノサシとなるスコアとして、エンプロイーエンゲージメント(企業に対する愛着度)に注目しました。これは労働市場に企業が適応できているかを測るモノサシであり、定量指標です」

スコアをつくるサーベイは、モバイルで20分程度で回答できる。そのスコアを軸として、組織の「Plan(目標設定)・Do(実行促進)・Check & Action(進捗確認)・See(現状把握)」サイクルを回し、組織力を自ら強化する状態をつくっていく。

「回答結果を偏差値で表示したエンゲージメントスコアは、すでに2700社、66万人分の蓄積があり、組織の統一指標として活用できます。そして他社比較・項目比較・属性比較・経年比較など、さまざまな角度からの分析が可能です。モチベーションクラウドはすでに400社近くの企業に導入されています。ご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください」

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本講演企業

2000年に創業した世界初の「モチベーション」にフォーカスした経営コンサルティング会社(2008年東証一部上場)です。2016年には日本最大級2,700社66万人のエンプロイーエンゲージメントのデータベースを持つ組織改善クラウド「モチベーションクラウド」をリリース。企業規模は数百人から1万人を超える企業まで、業種はメーカー、小売サービスからITインターネットに至るまで、様々な企業にご利用頂いています。

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2000年に創業した世界初の「モチベーション」にフォーカスした経営コンサルティング会社(2008年東証一部上場)です。2016年には日本最大級2,700社66万人のエンプロイーエンゲージメントのデータベースを持つ組織改善クラウド「モチベーションクラウド」をリリース。企業規模は数百人から1万人を超える企業まで、業種はメーカー、小売サービスからITインターネットに至るまで、様々な企業にご利用頂いています。

日本の人事部「HRカンファレンス2017-秋-」レポート
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[SS-1]売り手市場採用の若手人材をどう育成するか ~AI時代の採用と育成戦略~

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[C]人事プロフェッショナルの条件 ~経営に資する人事について考える~

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[D-5]【法改正目前】障がい者雇用を変えた福利厚生の仕組みとは? ~SMBC日興証券の取組みから紐解く~

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[D]組織風土改革をどのように推進すればいいのか?~クレディセゾンと日本郵便の取り組み~

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[F-2]人事課題の解決を支援する「360度フィードバック」~事例を通じた具体的な工夫~

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[SS-2]人材不足を乗り切る「これからの中小企業経営」

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[F]グローバルリーダーの働き方 ~こういうリーダーでは通用しない~

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[H]全員戦力化の時代:働き方改革の本当の目的

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[I]優れた経営者の条件

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[J]フィードバック入門:耳の痛いことを通知し、部下や職場を立て直す技術

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[K-5]「経験学習」と「サーバントリーダーシップ」で持続的に成長する組織をつくる

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[K]“エンゲージメント”が社員と企業を共に成長させる

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[L-5]一流プロサッカー選手から学ぶ「プロフェッショナルな個人と組織の創り方」

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[SS-3]「健康経営」が従業員のやる気・働きがいを高め、組織を活性化する

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[L]「産官学」それぞれの視点から考える“ワークスタイル変革”

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[OA]人材に関する多様な課題を解決するため、企業の人材育成はどうあるべきなのか

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[OB]「働き方改革」成功の条件 -生産性を高めるには-

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[OC]人事が知るべき「生産性向上」と「イノベーション」

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[OD]人と組織を成長させる「ポジティブ心理学」 ~明・暗の両面を知るからこそ、人は真価を発揮できる~

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[TH-1]戦略人事・タレントマネジメントをどのように推進すればいいのか ~グローバル企業のテクノロジー活用事例~

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[TH-3]AI・VR・アナリティクス…… テクノロジーが採用活動を変革する!

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[TA-6]その「HR Technology」は何のため?人事が真に目指すべきゴールとは。

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[TB-6]現場の生産性向上に寄与する人材育成とは?グローバル最新事例とその考え方