イベントレポート

HRカンファレンストップ > イベントレポート一覧 > 「HRカンファレンス2012-秋-」  > 特別講演[C-1]ビジョンを見据え、現場を動かす、学ぶ管理職こそが会社を強くする
特別講演[C-1]

ビジョンを見据え、現場を動かす、学ぶ管理職こそが会社を強くする

染谷 文香氏
株式会社HRインスティテュート チーフコンサルタント
染谷 文香氏(そめや・あやか)
プロフィール:株式会社HRインスティテュート創業メンバーの一人。大手建設会社や製造業を中心に、新規事業計画立案&経営課題解決のためのコンサルティング業務に従事。また様々な業種、階層における人材教育プログラムの企画、運営、実践に携わる。

学びを「アウトプット」して「習慣化」させる

組織の向かう方向を見据え、それを現場で実践するのが管理職。しかし、今の管理職にはそれに向けた十分な教育が行われていないと染谷氏は言う。「座学研修も大事ですが、知識のインプットばかりでは、育成のためには十分ではありません。インプットした情報や知識を汎用化し、アウトプットしてこそ学びになります」。現場の課題に自ら気付き解決に向けて自らのスキルを高めて共有できるリーダー、それこそが「学ぶ管理職」だ。

染谷文香氏/講演 photo学ぶ管理職を実践する企業に、トヨタ自動車がある。社内に課題について徹底的に議論し、解決策を自ら考える「自主研」という組織があり、改善活動を行っている。また、GEでは年間1100億円もの費用をかけてグローバルリーダー育成研修を実施。「この研修での学びは現場で即実践が条件。活用しないと責められてしまいます」。HRインスティテュートでは、企業の管理職に向けて、学びと実践を組み合わせた「ワークアウトプログラム」を提供している。その流れは「研修での知識醸成」→「事例分析」→「目標や課題の設定」→「自部署での実践に向けたプロセスの組み立て」→「組織への成果・スキル共有」だ。

講演では50周年を迎える部品専門商社A社が事例として取り上げられた。同社の社長は管理職に対して「指示したことしかやらず、将来幹部になったときに会社が不安」と考えていた。一方、管理職側は「仕事が忙しくチャレンジできない。時間も機会も能力もない」と焦っていた。「自ら学び、考え、動かす仕組みができていなかった」と染谷氏。

実施されたのは6名選抜の管理職研修だ。第1フェーズでは「3年後に向けた成長戦略の立案と実践」というテーマを設定。4ヵ月にわたる討議を行い、業務課題の解決に向けた取り組みをまとめ、アクションプランを実施、検証を行った。第2フェーズでは、6名が中心となって若手も巻き込み、組織全体が「売上、利益向上のためにすべきこと」を考え、実践する仕組みを作りあげた。

「6名が打ち出した戦略は『受身の営業から仕掛ける営業への転換』でした。アウトプットでは販売プロセスの高度化や営業活動のPDCA化、全営業所の情報共有、人材育成の推進を実践。この活動を社内に認知させ、サイクル化することにも成功しています」と染谷氏は言う。考えるサイクルの継続で「学び」を組織のウェイへと高める。「アウトプット」×「習慣化」が管理職教育の肝と言えそうだ。

  • イベントレポートトップ
  • インデックス
参画をご希望の企業様
お問合せ先
株式会社HRビジョン 日本の人事部 「HRカンファレンス」運営事務局
〒107-0062
東京都港区南青山2-2-3 ヒューリック青山外苑東通ビル6階
TEL:03-5414-2219 E-mail:hrc@jinjibu.jp
株式会社アイ・キューは「プライバシーマーク」使用許諾事業者として認定されています

このページの先頭へ