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特別講演[B-5]

労働安全衛生法改正を踏まえたストレスチェックの活用事例

大谷 裕氏
株式会社 保健同人社 EAPグループ グループリーダー(臨床心理士)
大谷 裕氏(おおたに・ゆたか)
プロフィール:大学卒業後、スポーツメーカーに10年間勤務。退職後、大学院で心理学を学び修士号を取得し、現職。臨床心理士・シニア産業カウンセラー。EAPコンサルタントとして、企業の「人財」を活かすための支援に従事。カウンセラー、ケースコンサルタント、研修開発・講師としても全国で活動。月刊人事マネジメントにて連載中。

労働安全衛生法改正案の背景と施策とは

昨今「メンタルヘルス」不調が問題となっているが、実際、労災請求の件数は増えており、14年連続で自殺者が3万人を超えている。社会の担い手である20縲鰀39歳の死因の第1位は自殺であり、40縲鰀49歳では自殺が第2位、50~54歳では自殺が第3位(平成22年 人口動態統計 厚生労働省調べ)という結果もある。

大谷裕氏/講演 photo「労働」と「自殺」に関する相談を分析すると、四つの特徴があると言う。一つ目は、業務過多による「長時間労働」からの疲弊。二つ目は、過剰に重い責任による「精神的な負担」。三つ目は、目標を達成できなかった場合の「落胆」。四つ目は、不本意な人事配置、退職勧告、いじめなど職場での「人権侵害」だ。大谷氏は「現在の労働安全衛生法では、一つ目の長時間労働にしか対応できていない。そのため、そのほかの労働の『質』に対するアセスメントが必要になっているのです」と言う。

そこで、労働安全衛生法の改正が審議されることになったわけだが、その一つが最低基準としての「安全衛生法におけるメンタルチェック」だ。ここでは、(疲労)「ひどく疲れた」「へとへとだ」「だるい」、(不安)「気がはりつめている」「不安だ」「落ち着かない」、(抑うつ)「ゆううつだ」「なにをするのも面倒だ」「気分が晴れない」の9項目が挙げられている。個人の点数を集計し、点数が高い者に対して医師による面接指導の勧奨を行うのである。「大企業の場合、個々の事業場で追加できる取り組みを行っている例もありますが、中小企業などでは、この基本ラインにも達していない場合が多いのです」

望ましい施策として、高リスク不調者の発見・対処、ストレス不調者の回復支援、能力開発(ストレス耐性の向上)、組織改善(管理職の対処能力向上)などが挙げられる。「ただし、ストレスチェックは施策のひとつに過ぎないもので、改正法に準拠するだけの施策は、高リスクで専門的なケアが必要な人のみが対象となっています」と、大谷氏。今後は、全社員を対象とした組織的なEAPの実現が理想と言えるだろう。そういった意味でも、同社の展開する、新EAPサービス「TEAMS」を活用したメンタルヘルス施策は、今後大きな注目を集めそうだ。

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