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特別講演[2]

イノベーター社員の育成 
~アクティブイマジネーションから始まる未来物語~

株式会社エイブルワーク 代表取締役社長
佐藤 栄哲氏(さとう・ひであき)
プロフィール:神戸大学経営学部(金井ゼミ)卒業。大学時代に(株)エイブルワークを創業。丸紅(株)に新卒入社、約40ヵ国でビジネス経験後、アルゼンチンに会社を設立、29歳で役員就任。2003年より現職。採用・社員教育・制度設計・人事システム開発など、500社以上の人事を支援。神戸大学「起業家精神育成ゼミナール」講師リーダー。

3度の起業経験を人事支援に活かす

佐藤 栄哲氏/講演 photo本日は、会社に革新をもたらすイノベーター社員の育成方法についてご紹介します。実は私は、基調講演を行われた神戸大学大学院経営学研究科の金井壽宏教授のゼミの1期生であり、現在、神戸大学で「起業家精神育成ゼミナール」の講師も務めています。私自身の3度の起業経験、500社以上の人事支援経験、金井教授との共同研究結果なども踏まえながら、ポイントをご説明していきたいと思います。

最初に、私の経歴についてご説明いたします。私は19歳のときにこのエイブルワークを創業しました。3年間で年商2億円にしたのですが、「もっと広いフィールドで経営の経験を積みたい」と、大学卒業後は大手総合商社に新卒入社します。そこで新規事業開発、新規市場開発、海外事業会社設立&経営参画を目標に掲げ、猪突猛進でがんばった結果、24歳でワインの新規事業開発に成功しました。

26歳で40ヵ国の市場開発にも成功し、28歳のとき、アルゼンチンにワインメーカーを創業。29歳で最年少役員に就任します。2003年、全ての目標を達成したのを機に、33歳で帰国、自身で創業した(株)エイブルワークに復帰します。ここでいわば3度目の起業といった形になりましたが、採用・社員教育・制度設計・人事システム開発などの事業を整備し、これまでに500社以上の人事部を支援しています。

イノベーションを生む人事の四つの役割

近年は外部環境の変化が激しく、どの会社も成長のために、事業のイノベーションが至上命題となっています。しかし、イノベーションを起こせるのは会社そのものではなく、働く社員一人ひとり。そのため、イノベーターの育成は人事部にとって重要なテーマとなっています。では、ここで企業のイノベーションにおいて、人事部が果たす役割を考えてみましょう。この図は人事の専門家であるデイビット・ウルリッチ博士の著書『MBAの人事戦略』で紹介されているものです。人事の役割は「人-プロセス」を横軸、「将来-日常(現在)」を縦軸とすると四つに分かれます。

講演資料一つ目は人寄りで将来向けの役割である「変革エージェント」です。今よりもよりよい未来を作ることのできる人材像を考え、構築します。企業の風土、文化、価値観も反映させます。人事部そのものが変革のイノベーターとなり、社員の中にイノベーターを育てていくのです。二つ目はプロセス寄りで将来向けの役割である「戦略パートナー」です。企業戦略に基づき人事戦略を構築します。例えば10年後の企業の目標を達成したいと考えたとき、社員たちはどんな人材になっていないといけないかを考えます。社内にそのような人材がいなければ、外部から採用することもあります。

三つ目は、人寄りで日常的な役割である「従業員チャンピオン」です。従業員との連携を密にしながら、従業員に対する支援を行います。心のケアやキャリア開発支援を行い、そして働く上での納得性の確保にも尽力します。人は自分がなりたいイメージと、会社が求めるイメージが一致したときにもっとも力を発揮します。そのような環境を作ることも人事部の仕事です。四つ目はプロセス寄りで日常的な業務である「管理エキスパート」です。もっとも基本的な業務である人事戦略の実行、制度の管理・運営を行います。この中では例えば、頑張ったときにやりがいが持てるだけの報酬がもらえるインセンティブ制度を考えて、運営したりします。

「未来志向」と「今・ここ・私」が変革につながる

次は、イノベーターの育成ポイントについて考えてみましょう。従業員におけるイノベーションへの気持ちに影響するのは大きく二つ、「未来志向」と「今・ここ・私」です。「未来志向」とはビジョン、理想を描くもので、想像するだけでワクワクするような希望系のイメージのこと。この中で会社のビジョン、個人のキャリアにおいてアクティブなイメージを形成します。「今・ここ・私」とは、まさに目の前のお客様の役に立とうと一生懸命取り組んでいる緊張系の気持ちのことです。「逆境に立ち向かう」「成功するまであきらめない」といった環境づくり、組織風土づくり、そして上司にその役割をうながすことが必要です。

佐藤 栄哲氏/講演 photo「未来志向」と「今・ここ・私」の間で気持ちが行ったり来たりしながら、イノベーションへの活力も生まれていきます。人事には社員に変革を起こし、全員を今よりも高い場所に連れていく役割があります。そういう意味では、多少は強引になることも必要になる。すると社員に嫌われることもあるでしょう。しかし、嫌われなければいい人材は育たないのではないでしょうか。

エイブルワークでは、採用・社員教育・制度設計・人事システム開発など、500社以上の人事を支援しています。この事業で大切なことは、会社のビジョンを従業員が共有し、それが制度にも生かされた状況をつくることです。そのための手段として、私たちはビジョンムービーの制作を行っています。これは会社が目標とする将来像をムービーに仕立てて、社員が集まる場や採用の場面で見せるものです。これからも、さまざまな形で人事の皆さまのお役立ちたいと思っています。本日はどうもありがとうございました。

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