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特別講演[B]

人財育成効果を最大化する2つの着眼点
~社内ライン部門との提携強化法・外部研修会社の効果的活用法~

馬橋 和弘氏
株式会社ジェック オンリーワンコンサルティング部 専門部長 プロデューサー
馬橋 和弘氏(うまはし かずひろ)
プロフィール:株式会社ジェック入社、2005年に専門部長。お客様組織の変革をご支援するプロデュースを展開。複雑に絡み合う課題をシンプルに統合し、変革コンセプトとシナリオを共創する独自の手法に強み。これまで、変革の取り組み、階層別人財育成体系等、100社を超えるご支援・プロデュースの実績を持つ。

白石 博明氏
株式会社ジェック 需要創造型人財開発本部 コンサルタント
白石 博明氏(しらいし ひろあき)
プロフィール:25年にわたり、200社を超えるクライアント企業様の現場実践変革の支援に携わっている。顧客価値創造へのコンセプトチェンジに基づく、個の意識改革、行動変容の支援コンサルティングを通じ、需要創造型人財開発・組織変革を行うことを強みとしている。

コンセプトを共創し、コンセプトで社内外を動かす

馬橋 和弘氏 photo(馬橋 和弘氏)
「人財育成効果の最大化」を実現するには、二つのポイントがあります。一つ目は、「社内ライン部門との連携強化」です。教育の目的は現場が成果を出すための支援ですから、ラインの協力が必要不可欠。現場をどう巻き込んでいくのかを、考えなければなりません。二つ目は、「外部研修会社の効果的活用」です。社内のリソースは限られていますので、外部を戦略的に活用することも重要です。

一橋大学大学院教授の守島基博さんは、人事部門が同時に担うべき二つの役割を話されています。これらは、戦略的人事部門になるための着眼と言えると考えます。一つは「ビジネスリーダーのパートナー」です。トップが何かを行うとき、人事部は参謀になりますが、その期待にどう応えるかということです。二つ目は「現場リーダーへのサポート」。現場を知り、現場を支援していくことです。

しかし、実際には一見無理難題とも思えるトップの号令、わがままとも思える現場の意見…現実は厳しい。例えば、こんな社長がいました。突然「教育の見直しをしたい。年内トライアルで来年から新体系で始めたい」と言われたのですが、それが10月だったのです。他にも「10年選手を1年で育成せよ」といった難題もありました。しかし、今は環境変化が大きいため、無理難題でも何らかの対応をしなければならないことも多いと思います。それだけに人事部には、期待に応える効果的・効率的な動き方が一層求められます。

では、戦略的人事部門はどんな動きをしているのでしょう。ここで大事なのは(人材開発)コンセプトです。コンセプトを経営者や周辺部署と共創し、コンセプトに基づき社内外を動かしています。コンセプトが明確なら、それが判断基準になり、方法論も見え、効果測定もしやすい。しかし、調査によると多くの企業では、意外にもこのコンセプトがない。曖昧、形骸化していることが多いのが現実です。

コンセプトを共創し、社内外を動かすための「3点思考メソッド」

馬橋 和弘氏/講演 photoそれでは、どうすればコンセプトを共創することができるのでしょうか。私たちがご紹介するのは、「3点思考メソッド」です。まず「目指す姿」を特定し、「現状」を把握し、明確になった差を埋めるには「何ができればいいのか」をトップや現場と共創していきます。次にこの3点情報をコンセプトに転化します。

転化するためのフレームは、「□□に向けて ○○ができる △△への◎◎」です。□に入るのは「目指す姿や将来・方向性」(例:理念、ビジョン、戦略)。 ○はコンセプトの中核。△は変革の対象(例:マネジャー、サービス部門、組織風土)。◎は「どうしたいのか」(例:革新、定着、創造)です。

例えば「ブランド価値向上と数値計画達成の両立に向けて、トータルプロデュースができる、MD(マーチャンダイザー)への変革」「グローバル企業への進化に向けて、固定観念を打ち破り行動できる、自律型人材の育成」といった具合です。

このシンプルな3点思考メソッドでコンセプトメイクをすれば、本質的なものを創ることができます。社内ラインとの連携だけでなく、外部研修会社との間でも認識にズレが生まれることも少なくなります。人事部は非常に多くの部署や人とコミュニケートしますから、このような手法は有効です。人材育成効果最大化に向けての効果的な一歩として、ぜひ実践してみてください。

ラインとの協力関係創りのために、ライン責任者とのWin-Winの関係を探る

白石 博明氏 photo(白石 博明氏)
続いて、人材育成を行うときのラインとの協力関係づくりについて、お話します。人事部門からの働きかけによるライン部門との関係性の状態を見ると、もっとも関係がつくられている (5)創発レベルから、(4)活用レベル、(3)維持レベル、(2)義務レベル、(1)無関心レベルまで、5段階で表現することができます。実際には (2)(3)が多いようですが、これをいかにして(4)(5)までの関係性に持っていくかが、人材育成を効果的にしていくポイントになります。

研修を例にとって考えると、「忙しくて時間がない」「自分の仕事と直接関係がない」「行っても何をやるのかよくわからない」というのが行きたくない理由としてよく上がる三つです。参加される方に前向きになってもらうには、この3点をクリアする必要があると思います。そのためには、やはりラインの協力が必須といえるのではないでしょうか。

戦略的人事部門としてラインとの関係性をレベルアップし、人材育成効果を上げていく方法には、次の5つが考えられます。

  1. 人事部門としてライン部門へのお役立ちコンセプトの策定を行う
  2. Win-Winの関係づくりのためのライン部門長(責任者)との統合を行う
  3. 研修効果をより高める事前準備のあり方を考える
  4. 研修効果を最大限にするオブザーブ(見守り方)のあり方を考える/li>
  5. 現場成果のためのフォローのあり方を考える

事例をご紹介します。約2000名の技術系企業で、社内では販売部門が重視されるようになり技術部員のレベル低下が問題になっていました。人財部門長は自社の強みがボディーブローのように損なわれていくことを危惧。事前に調査・準備し、支店長出身の新任技術本部長と話し合いを重ねた結果、「皆が目標にできるよう技術部門から支店長を出したい」という強い想いがわかりました。

(1)ベースとなる技術のレベルアップが会社の将来を握り、(2)技術部門の教育を充実させることがお客様から選ばれ存在価値を高めていく。この二つの想いが一致しました。

私たちは3年計画をご提案。全国の支店を巻き込み、研修とOJTでよい成果へとつなげることができました。先方とWin-Winの関係がつくれたこと、先義後利の精神(まずお客様ありきの顧客視点)で臨んだことが大きなポイントになりました。

また、人財を育成していくには、研修で学んだことを定着させる方法も、考えていかなければなりません。例えば、「行動計画を策定する」「直属の上司を巻き込む」「定期的な確認を行う」など。ここでもやはり、ラインの協力を引き出すことが重要といえるでしょう。

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