――　今回の講演のポイントについて、お聞かせください。

市川：私たちがお伝えすることは、下記の通りです。

1. 望ましい企業像とは（幸せ創造企業とは）
2. 望ましい組織体質、体制とは（外向きで創造的・挑戦的な組織とは）
3. 企業体質転換（社風革命）の考え方、すすめ方
4. 人事教育担当者として人と組織の変革にどう働きかけるか（イノベーションプロデューサー論）
5. 職場の「マネジメント診断」「風土診断の枠組み」「企業文化診断」「チーム活力診断」のチェックリスト紹介・提供
6. 職場開発・活力づくりのステップ〔step1　問題の共有化→step2　課題のベクトル合わせ→step3　学習と解決策づくり→step4　実施と歯止め〕、各ステップのノウハウ
7. 組織イノベーション、職場活力づくりに取り組む人事教育担当のあり方

上記を効果的に進めるための「行動科学」の理論と各社の「実践のケース」、人事教育担当者の心構え、ならびに「変革仕掛け人」としての成功のツボとコツなどをお伝えします。

また、企業理念、行動指針（の作り方）とその浸透により「企業文化形成」（新しいコーポレートカルチャーづくり）を展開するステップおよび「カンパニースピリット」（企業の魂）づくりのトレーニングのあり方を紹介します。

――　貴社の強みや特徴について、お聞かせください。

市川：私たちは「企業の人間的側面」に焦点をあてて、社員の働きがい、やりがいを引き出す職場活動、改善アプローチの手法を研究しています。私たちは職場の活力を創出するため、社風改革や体質風土の改善、改革のプロセスコンサルテーションを手掛けている団体です。組織や職場集団の自律的問題解決力を高める『触媒アプローチ』を得意としています。それは「こうすべきです」「ああしなさい」といった“処方箋型コンサルタント”の改善成果の限界を知っているからです。当社が数多く手掛けてきた組織開発や、職場開発、風土改革のノウハウを多くの人々が活用しやすい手法に組み立てました。そして、どの業種であっても取り組みやすい簡便な「診断アンケート」や「働きかけ手法」としてまとめ、職場や組織の活力づくりのプロセスを設計し普及しています。長年にわたり研究してきた技法手法が皆様のお役に立ち、「幸せ創造企業を目指す」活力ある職場づくりの推進に役立てていただければ幸いです。

――　講演に向けての抱負や、参加される皆さまへのメッセージをお願いします。

市川：私たちは「利益は、お客様や社会に貢献した（人を幸せにした）“ごほうび”である」と考えます。

社員やお客様の「幸せ創造」を目指した時、職場や組織はどうあるべきか、人はどう仕事に取り組むべきか、自律的・主体的な組織づくりのためどんなプロセスを踏んだら最も効果的な改革に結びつくのかをつかんでいただきたいと考えます。

また、企業の理念（カンパニースピリット）を社員一人ひとりの魂に宿し、強い社風の形成を進める手法として野外におけるカンパニースピリットトレーニング手法を開発しました。これらを実践した数十社のケースをもとに、新しい形での会社へのロイヤリティー形成手法を紹介したいと思います。